天井までの固定壁は客室内に置ける?
深夜酒類提供飲食店(バーなど)の構造・設備についての質問に、施行規則と警察庁の解釈運用基準を根拠に回答します。
天井までの固定壁は客室内に置ける?
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則 第99条
根拠:施行規則 第99条第2号
深夜における飲食店営業の営業所は、「客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと」が基準です。警察庁の解釈運用基準は、見通しを妨げる設備の例として、仕切り・ついたて・カーテン・背の高い椅子(高さおおむね1メートル以上)を挙げ、見通しを確保する必要があるのは「客室の内部」だとしています。また、同基準は別の箇所で、壁を「営業所の内部を仕切るための設備」と位置づけています。
結論:客室の内側には置けません
天井までの固定壁は、例示にある「仕切り」そのものです。1つの客室の内側に立っていて、壁の向こうが見通せない場合は、基準に抵触します。一方、客室の境界にある壁は問題になりません。規制の対象は客室の内部なので、客室と調理場の境、客室と通路の境にある壁は、客室の内部の設備に当たらないためです。
| 壁の位置 | 扱い |
|---|---|
| 1つの客室の内側 | 見通しを妨げる設備に当たる(第99条第2号) |
| 客室と調理場・通路の境 | 客室の内部ではないので、問題にならない |
| 客室と客室の境 | 別々の客室として扱い、各室9.5平方メートル以上が必要(第99条第1号) |
壁で区切る場合の面積
壁で区切って客室が複数になると、深夜における飲食店営業では1室9.5平方メートル以上が必要です(客室が1室だけの場合、面積の下限はありません)。同じ「見通しを妨げる設備」の基準は風俗営業にもあり、接待飲食店(1号営業)では1室16.5平方メートル以上(和風の客室は9.5平方メートル以上)です。
通路やトイレは客室に含めない
営業所は、客室のほか、調理室・廊下・洗面所・従業者の更衣室などで構成されます。通路やトイレは営業所の一部ですが、客室ではありません。壁の奥が従業者の動線だけなら、客室の線を壁の位置で止めれば、その壁は客室の境界になります。
出典:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則 第7条・第99条第1号・第2号
警察庁生活安全局「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」(令和8年7月1日)第12中2・第12中8(1)・第29中2(1)
解釈運用基準は「壁」を見通しを妨げる設備の例として名指ししてはいません。例示の「仕切り」に当たるという整理です。