その改装、気づかないうちに
「既得権」を失っているかもしれません
規制強化前・規制区域指定前から営業している店舗は、今の場所で営業を続けられる「既得権」があります。しかし、この権利は改装の仕方一つで簡単に消滅します。何がセーフで、何が引き金になるのかを整理しました。
現在の規制では新規に許可・届出が下りない場所でも、規制ができる前・規制区域に指定される前から営業していた店舗は、例外的に営業を続けられます。これがいわゆる「既得権」(既存不適格)です。ところが、この権利は一定の改装・変更を行った瞬間に失われ、その時点で現行基準での新規許可が必要になります。つまり、既得権のある物件は、その"今の状態"を維持することに価値があるのです。
「うちは前からここでやっているから大丈夫」は、改装のたびにリセットされるリスクと隣り合わせです。大規模リフォーム、建て替え、間仕切りの大幅な変更——良かれと思ってやった改装が、営業そのものの土台を崩すことがあります。
一風俗営業(キャバレー・パチンコ屋等)の場合
次のいずれかを行うと、営業所の同一性が失われ、新規の許可申請(=現行の立地基準での再審査)が必要になります。
二店舗型性風俗特殊営業(ソープ・ラブホ等)の場合
こちらは風俗営業よりも基準が細かく、より多くの行為が引き金になります。
三深夜酒類提供飲食店営業(バー等)の場合
四結局、何ならやっていいのか
「大規模の修繕・模様替」は、建築基準法上の定義に基づき主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段)の一種以上について、過半に対して行う工事を指します。逆に言えば、ここに触れない範囲の変更は、既得権に影響しません。
五実務でのポイント
既得権のある物件を購入・賃借する場合、あるいは既に運営している店舗を改装する場合は、着工前に、その工事が既得権の維持基準に触れないかどうかの確認が不可欠です。工事が終わってから「実は新規許可が必要だった」と分かっても、後戻りはできません。特に居抜き物件の取得を検討する際は、その物件が既得権によって成立しているのかどうか、成立しているならどこまでの改装なら許されるのかを、契約前に必ず精査すべきです。
その物件、既得権は維持できていますか?
横塚行政書士事務所では、既得権のある物件の取得・改装のご相談、居抜き物件の事前診断を承っています。契約前・着工前のご相談が、後の大きなトラブルを防ぎます。